カテゴリ: 潰瘍性大腸炎の原因のひとつは「フソクバクテリウム・バリウム」

ご存じの方も多いと思うのですが、潰瘍性大腸炎の原因菌の一つは、腸内細菌の「フソクバクテリウム・バリウム」と言われています。

ここまで分かっていて、いまだ完治する病気となっていないのでは、 原因菌が「フソクバクテリウム・バリウム」だけではないということなんだろうと推察します。

すでに、順天堂大学では「フソクバクテリウム・バリウム」をターゲットにした抗生物質の服用と糞便移植を併用した新しい治療法にとり組んでいます。欧米諸国では効果が認められており、70%の人が寛解しているそうです。 

潰瘍性大腸炎に対しての抗生剤療法と糞便移植療法の臨床研究について

【方法】この治療は腸内細菌のうち、粘膜に付着し病気を引き起こしていたり、または増悪する原因と疑われるFusobacterium variumという細菌を除菌することを目的に確立されてきた治療です。基本的には抗菌剤3種類(サワシリン、アクロマイシンVまたはホスミシン、フラジール)の抗生剤を2週間内服する治療です。 

【成績】この治療法はすでに欧米諸国では通常医療として行われており、その有効性は多数報告されています。C.difficile菌感染腸炎(抗生剤長期投与によって生じる難治性腸炎)についてはほぼ100%、炎症性腸疾患については約70%の患者の方が寛解(病気が落ち着くこと)し、そのほかの病気(自己免疫疾患、糖尿病、肥満など)にも応用され始めております。ただし、新しい治療には全て当てはまることですが、長期間の治療効果については結果が待たれているところです。薬物医療ではないため、薬剤性の副作用はありません。下痢、腹痛などの副作用も少数報告されておりますが、重篤な有害事象の報告はありません。


70%の寛解、かなり有効的な治療法だと思います。



東京慈恵会医科大学の大草敏史さんが書かれた フソクバクテリウムと潰瘍性大腸炎,大腸癌(2013)というPDFの論文をみていただけたら、分かりやすいです。


 
■ 僕が気になったところを抜粋とコメント
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※素人の強みを活かして、かなりばっさりと言い切りますが、正確性に欠けるので、詳しくは論文を読んでください。

・腸内細菌が,UC の原因または炎症増悪因子として再度脚光をあびている.
⇒ 以前から、腸内細菌原因説があった。

・ われわれは,UC の手術切除標本の病変粘膜を検討したところ,主として桿菌が病変粘膜に付着し,また,潰瘍部分では粘膜内に侵入していることを 1993 年に報告(1)した(Fig. 2).さらに,この菌の同定を目指し研究を進め,UC 粘膜から分離同定された腸内細菌のFusobacterium varium が免疫抗体染色で実際に病変粘膜に存在し(Fig. 3),UC 患者で有意に血清抗体価が上昇していることを見出した(2)(Fig. 4).また,同菌が Vero 細胞毒性を示したことから(Fig. 5),その毒性のもとを検索し,同菌の産生する酪酸であることを明らかにした.
⇒ 手術で切除した病変粘膜から腸内細菌のフソクバクテリウム・バリウムを発見。毒性を確認。毒性はこの菌が作る酪酸であった。

 
さらに,同菌の産生する酪酸の注腸でapoptosis を介し,マウスに UC 類似病変が惹起されることを証明し(Fig. 6),同菌が UC の起因菌の一つではないかと報告した(3).酪酸は大腸においては腸上皮のエネルギー源とも言われているが,反対に apoptosis を誘導することはすでに知られている.実際,歯科領域では,酪酸を産生する口腔細菌が歯槽膿漏の原因であるともされており(4, 5),さらに,小児科では新生児壊死性腸炎は酪酸産生菌によって起こると報告されている(6).
 ⇒ フソクバクテリウム・バリウムが作る酪酸をマウスに注腸するとUCと同じような潰瘍ができた。酪酸は良いもののはずなのに、酪酸を作る口内細菌が歯槽膿漏の原因だったり、新生児壊死性腸炎でも酪酸が原因と言われている。酪酸が原因で病気を作ることもあるので、UCの原因として考えるのは間違っていないと思う。

名古屋大学の Minami らは,UC 患者の F. varium 感染率を Western-blotting 法を用いて検討しているが,その結果,血清抗体が認められたのは UC 112 例中 45 例(40.2%)であり,健常対照者 128 名中 20 名(15.6%)と比べ有意に感染率が高かったと報告している(p < 0.01)(9).さらに,彼らは,感染陽性の UC の方が,抗体陰性の患者と比べ,より活動性が高く,全大腸炎型といった病変範囲が広いものが有意に多かったと報告している(9).
  ⇒ 名古屋大学で潰瘍性大腸炎の患者を対象に、フソクバクテリウム・バリウムの感染率を調べたところ40%だった。比較のために、健常者の感染率も調べたところ、16%と少なかった。フソクバクテリウム・バリウムに感染しているからといって、潰瘍性大腸炎になるわけではない。また、フソクバクテリウム・バリウムに感染している潰瘍性大腸炎の患者は、全大腸炎型といった病変範囲が広い。
 
 
このように,われわれは UC の F. varium 原因説を提唱しているが,UC は症候群として単一の疾患ではないことから,これ以外にも種々の原因はあるとも考えている.
   ⇒ フソクバクテリウム・バリウムが原因だと思うけど、潰瘍性大腸炎はいろんな症状があるので、これ以外にも原因があると思う。
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腸内細菌を活用した治療 新時代へ!

すごいすごい!

奈良先端科学技術大学の研究者が、腸内細菌の「悪玉菌」だけをやっつけてくれる抗体を発見してくれました。

その抗体の名前は、「W27IgA抗体」 。

腸内細菌を活用したこれまでの治療は、便移植といって、便と腸内細菌を、健康な人から病気の人へ物理的に移動させるものでした。

今回発見したものは、病気の原因となっているだろう「悪玉菌」の繁殖を抗体を使って、意図的に抑えるものです。


ここ5年間、腸内細菌を活用した治療に注目してきましたが、この考え方はとても新しいです。

多くのニュースサイトが取り上げていますので、ぜひみてください。

悪玉菌狙い撃ち、抗体発見 腸整える、奈良先端大
大腸菌などの悪玉菌だけを捕らえて増殖を抑え、善玉菌はそのままにして腸内環境を整える「抗体」を、奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の新蔵礼子教授らのチームがマウスで発見し、5日付の海外科学誌電子版に発表した。

腸内の「悪玉菌」狙い撃ち、抗体を発見 奈良先端科技大
下痢や血便が慢性的に続く潰瘍性大腸炎やクローン病は、近年急増している。衛生環境が良くなったり、食品添加物が多用されたりして、腸内細菌のバランスが変わったことも原因だと見られている。抗生剤による治療は、乳酸菌など「善玉菌」も減らしてしまう副作用がある。

新蔵(しんくら)礼子教授(免疫学)らは、大腸菌などの悪玉菌と結合して増殖を抑えている抗体をマウスの腸で発見。腸炎の状態にしたマウスに、この抗体を混ぜた水を1カ月飲ませると、腸内の悪玉菌の割合が減って症状が治まった

 
腸の悪玉菌狙い撃ち、マウスに抗体…奈良先端大
同大学の新蔵しんくら礼子教授(応用免疫学)らは、マウスの腸の粘膜から、大腸菌や緑膿りょくのう菌など様々な悪玉菌にくっついて増殖を抑える、「W27」というたんぱく質(抗体)を見つけた。腸炎のマウスにW27を飲ませると症状が良くなった。 


IgA抗体に悪玉菌の増殖を抑え腸炎を抑制する効果 - NAISTらがマウスで発見
今回、同研究グループは、炎症性腸疾患などで免疫系が過剰刺激を受けて炎症を起こす原因は、腸内細菌叢の変化にあると考えマウスの腸から多くのIgA抗体を分離し、そのなかで多くの種類の腸内細菌に一番強く結合するW27IgA抗体(W27抗体)を選択。腸炎を起こすモデルマウスにW27抗体を経口投与することで、腸内細菌叢が変化し、腸炎を抑制する効果があるこ
とを突き止めた。


国内では、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者が増えている。現在は腸内細菌を攻撃する抗生物質や炎症を抑える免疫抑制剤治療が主流だが、善玉菌まで減らしたり、免疫力を低下させたりする欠点がある。

 
悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌をIgA抗体で制御~腸内細菌叢改善薬の開発に道~
 抗体のクラススイッチによる多様化(注3)は正常に起こるものの、抗原に対する結合力を増すための体細胞突然変異が障害されているマウス(AIDG23Sマウス)の病態解析から、細菌に強く結合するIgA抗体を産生できないと腸内細菌の異常増殖や腸炎が発症することを明らかにした。この病態の治療には野生型マウス由来の多種類の腸内細菌に強い結合力を持つIgA抗体を経口で補充することが有効ではないかと考え、野生型マウスの腸管IgAから多くの腸内細菌に最も高い結合力を示したW27抗体を選択した。W27抗体は大腸菌に強く結合したが、乳酸菌やビフィズス菌のようないわゆる善玉菌にはほとんど結合しなかった。つまり、W27抗体は善玉菌と悪玉菌を識別する抗体であることがわかった。W27抗体は細菌の増殖にかかわる代謝酵素(セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ)のある一部分のアミノ酸の違いを識別して、各細菌への結合力が異なることも明らかにした。さらにW27抗体は強く結合する大腸菌の増殖を抑制したが、ほとんど結合しない乳酸菌の増殖は抑制しなかった(図1)。すなわち、悪玉菌を識別して結合しその増殖を抑え、一方で善玉菌には結合しないため善玉菌の増殖を阻害しないことがわかった。
一方、W27抗体を腸炎マウスに経口投与すると、腸内細菌叢のバランスが変化し、大腸の組織が改善した(図2)。
これらの結果から、W27抗体は腸内細菌制御に有効な経口治療薬候補であることに加え、マウスにおいて細菌との相互作用の鍵としてセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼを認識することを明らかにした。今後、ヒトへの応用のための基礎研究を行うことで、IgA抗体を腸内細菌叢改善薬として開発する合理的な可能性を示し、医薬品開発への原動力としたい。

「医薬品開発への原動力」と書かれた理由分かりますよ。

これまでにない新しい発想と成果です。

研究者や関係者のモチベーション うなぎ登りですよね!

新薬、期待しています!
 
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追記 2018/04/15
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この記事では、ヨーグルトでは無理としていますが、
この商品を使うと、1日2,000億個とれます。1袋500億なので4袋です。
もし取り組まれる場合は、最低2ヶ月続けてください。
腸内細菌に影響を与える場合は、2ヶ月以上かかるようです。
森永乳業のグラフは24週間、6ヶ月間取り組んでいます。





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森永乳業が発売しているビヒダスヨーグルト。こちらには、ビフィズス菌BB536が入っています。

画像1


このビフィズス菌BB536を治療薬とともに、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎患者14名に摂取させたところ、24週(つまり6ヶ月)で10名が寛解に至ったと知りました。

ただ、摂取量"1日2000~3000億" とだけしか表示がなかったので、森永乳業さんにお問い合わせしました。
すぐに回答が返ってくるといいなぁ。


追記 すぐに回答がありました。

この回答をみるに市販品のヨーグルトでは現実的ではないですね。
医薬品として、販売される日が待ち遠しい。
お尋ねいただきました「ビヒダス プレーンヨーグルト」にビフィズス菌BB536は、
100gあたり20億個以上入っております。
したがいましてヨーグルトで菌を2000億個摂取するためには
10kg食べなくてはならないことになります。

ホームページ上に掲載しております研究は、ヨーグルトによるビフィズス菌摂取ではなく
直接菌末を摂取する方法でおこなった実験結果でございます。



ビフィズス菌BB536で潰瘍性大腸炎が寛解に

ぜひ、森永乳業さんのサイトをごらんください。

ビフィズス菌BB536といえば、腸内細菌の研究で有名な辨野義己さんも毎日食べているヨーグルト。
辨野義己さんは、これで花粉症が治ったと言っていました。


追記 2015/05/19 21:18


森永乳業グループのクリニコから500億個のサプリメントを販売しています。
理論上はこれを4つ飲めばいいはずですが、この量を飲んでも良いのかは私は確認できていません。

bb536

追記 2015/05/19 21:19


また、一般社団法人 食と健康推進協会 乳酸菌データベースのサイトで、潰瘍性大腸炎に効果のある乳酸菌・ビフィズス菌を3つ紹介していました。

1)ブレーベ菌(ヤクルト)
2)LC1(La1)(ネスレ)
3)BB536(森永乳業)

潰瘍性大腸炎の症状を抑える乳酸菌・ビフィズス菌3つ


追記 2017/03/21 10:24


潰瘍性大腸炎を引き起こす原因菌が見つかりました。





追記 2017/03/24 16:19


糖尿病の患者には名前が知られているイヌリンの摂取で、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)が改善するとの文書を見つけました。
潰瘍性大腸炎の患者の方はイヌリンを12g/日。クローン病の患者の方は15g/日を摂取した記録が掲載されていました。
イヌリンやイヌリンが含まれているキクイモ(菊芋)は、Amazonで販売されているので、ぜひ検索してみてください。






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